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REDS COLUMN
2021年09月21日

一つの夢を叶え、次は「本当に負けたくない相手」との対戦へ

試合開始から62分、ハーフタイムを含めれば80分弱が経っていた。その瞬間を待ちわびていた小泉佳穂は、同時にピッチに入ろうとする4人の選手のうち1人を見つめていた。 坂元達裕もピッチに入ると、その視線に気付いた。いや、坂元も小泉を探していたのかもしれない。目が合った。坂元が小さく手を上げる。小泉も手を上げ返し、頬を緩める。自分では、「ニヤっとした」感覚だった。 小泉が「目標ではなく、夢」に見ていたこと、10年近く前には「夢にすら思っていなかった」ことを叶えた瞬間だった。 小泉と坂元はFC東京U-15むさし、前橋育英高等学校でチームメートだった。その後は大学でチームは分かれたが、プライベートでも親交は続き、お互いに励まし合ってきた。 今は浦和と大阪と距離が離れ、さらにコロナ禍が状況を難しくしているが、昨年まではオフシーズンには一緒に自主トレをしたり、ボールを蹴ったり、買い物をしたりするほどの仲。そんな『親友』とJ1リーグのピッチで戦う日を夢に見ていた。 理想は、お互いは自身のポジションに着いて試合開始のホイッスルを聞くことだった。しかし、小泉は先発出場したが、坂元はベンチスタート。 「特別なおもいをもって臨みましたが、結局は坂元と一緒に試合に出ていた時間が全然なかったので、あまりそういう感じはしませんでした」 思い描...


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