2023年03月07日
浦和レッズ初戴冠から20年 忘れない、あの闘いと感動
そうか、これも20年か。
3月4日(土)、20年ぶりに浦和駒場スタジアムでホーム開幕戦が行われ、セレッソ大阪に2-1で勝利した。
結果的に、ではあるがマチェイ スコルジャ監督のJリーグ初勝利を飾ったのが駒場だったことは良かったと思っている。
もちろん2連敗したのは悔しいが、僕はマチェイ監督が今後長い期間指揮を執るような状況になってもらいたいと考えている。そうなった場合、おそらく埼スタでの試合の思い出が積み上がっていくだろう。
しかしそんな中でも、初采配から苦しい連敗の後、記念すべきJリーグ初勝利を挙げた駒場の記憶が薄れることはないだろう。
初めての勝利というのは、それだけ印象に深く刻まれる。
もちろん初めての優勝も同じだ。
浦和レッズの初戴冠は、2003年11月3日。国立競技場で鹿島アントラーズを破って勝ち取ったJリーグヤマザキナビスコカップだ。
レッズが誕生して12年目にして、初めてのタイトル。しかも前年初めてファイナリストになったものの決勝で敗れた相手、鹿島に4-0と圧勝しての優勝だっただけに、喜びは大きかった。これも達成したのは20年前だ。
少し当時を振り返ってみたい。
予選リーグは最終節で逆転勝ち
不利な条件をはね返し決勝トーナメントへ
まずこのシーズンのグループステージ(予選リーグ)は、苦戦だった。レッズは第5節を終えて1勝2分け2敗のグループ3位。2位のヴィッセル神戸とは勝ち点2差があった。7月16日に駒場スタジアムで迎えた最終節は、その神戸との直接対決だから、勝てば逆転で予選リーグを突破できる状況だった。
一方、相手の神戸は引き分けで予選リーグ突破には十分。勝てば1位の可能性もあったが、それは他会場の結果次第だから無理をする必要はなかった。4月に行われた予選リーグ第3節ではホーム、神戸ユニバー記念競技場でレッズに敗れている神戸は、その試合が頭にあったのか、試合開始から引き分け狙いと思われる戦い方だった。ボランチも含め守備陣がゴール前を固めて、レッズにつけ込むスキを見せない。さらに一つひとつのプレーに時間を掛けているように思えた。
だが、試合は有利な条件の側が勝つとは限らない。その有利な条件を生かそうとすると、別のところに歪みが生じる場合がある。神戸は失点せずに時間を使うことに傾注しており、得点することに比重をかける様子がなかった。そのためレッズは相手のカウンターには最大限の注意を払いつつ、基本的にボールを握って落ち着いて攻めることができていた。時間が進むにつれて焦ることが怖かったが、それがあまり感じられなかった。
「90分で1点取ればいい」
その意識が全員に浸透し、レッズは不利な条件でありながら、精神的には優...
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