【岩尾 憲】 (年明けの発表ということで、もしかするとぎりぎりまで迷ったのかと思うが、決断するまでどんな思いだったのか？) 「6年という長い年月を徳島ヴォルティスというクラブでプレーさせていただいた中で、今回、浦和レッズさんからオファーをいただいたことと、引き続き力を貸してほしいという徳島ヴォルティス、あとは自分のおもいというところで、簡単に決められるようなお話ではありませんでした。少し時間を要してしまいましたが、最後は自分が34歳になるキャリアで残された時間が若い選手と比べてそんなに長くないということ、自分が時間の使い方をどうしたいのかというところで、浦和レッズさんにお世話になろうと決断しました」 (リカルド ロドリゲス監督とも長い付き合いがあったが、去年はJ1リーグで対戦し、今のリカルド監督とレッズをどう見ていたか？) 「リカルド監督が浦和レッズに移籍し、僕も4年という時間をリカルド監督と過ごさせていただいた中で、実を言うと少しさみしいというか悔しいというおもいもありまして、なかなかゲームをしっかりと見ることができませんでした。あらためて対戦相手として対峙したときに、相変わらずコンセプト、自分のサッカー哲学を大事に指導されているのだろうなと感じる試合をしている印象でした。ただ、僕もリカルド監督の1年目を徳島で一緒にやらせていただきましたが、体現しようとしているサッカーは今日、明日や1年といった短い時間でできるものではないということは、僕自身も体験しています。いいサッカーができていると思う一方、まだ成熟し切っていないということも同時に感じていました」 (リカルド監督のサッカーではトレーニングも大事になると思うが、週に5回くらいのトレーニングで短い時間でできるものではないというリカルド監督のサッカーの浸透を加速させるために周囲へどういう働きかけをしていきたいか？) 「おっしゃる通りで、一日一日のトレーニングにコンセプトや意味を常に持たせている監督だと思います。そういったことをよく分かっているからこそ、いい形で還元できればいいなと思っています。選手それぞれ特長ややりたいプレーがある中で、やらなければいけないことと、自分がやりたいことをしっかりと区別しなければいけません。そのときに適切なことをできなければ、やりたいことだけが先行してしまえば、どうしても戦術の浸透は遅くなっていくと思います。とはいえ、やらなければいけないことだけをやっていると、自分の個性が消えてしまう。それは表裏一体ですので、そういったところのバランスをいい形で取りながら、自分が言及した方がいいところは言及して、見守った方がいいところは見守るということは、注意深く様子を見る中でアプロ...

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