2022年06月07日
「設定を変えない」。ACLを経て、理想に向かって続けるチャレンジ
インターネット上には辛辣な意見が並んでいた。
なぜ仕掛けられない。なぜ後ろに下げる。なぜ守備で下がり過ぎる。ドリブラーがそんなプレーをしてどうするんだ――
大久保智明はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の期間中、うなずきながらその意見を読んでいた。批判されることは決して気持ちのいいものではないが、ACLでの自身の感覚とそれらの意見は概ね一致していたからだ。
ただ1点、違うことがある。そしてそれは、根本的な違いだった。
たとえば仕掛けずに横や後ろにパスを出したプレーも、大久保は仕掛けることができなかったのではなく、敢えて仕掛けなかった。
ACL初戦のライオン・シティ・セーラーズ戦。大久保はベンチで戦況を見ながら、普段のJ1リーグのイメージを重ね合わせるとこう感じた。
「これは参考にならない」
今回のACLグループステージは、先輩たちが必死に戦い頂点に立った大会、あるいはあと一歩のところで痛烈に悔しい思いをした過去の大会とは明らかに違っていた。
決してレベルは高くない。だから大久保は自由にプレーできると思った。仕掛けて、相手を1人、2人を抜き去り、ゴールを決める。普段戦う場所とは違い、そんなに難しくはないと思った。チャレンジしてボールを奪われたとしても、味方がカバーしてくれる。レッズの選手たちなら...
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