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INTERVIEW
2019年09月26日

TURNING POINT vol.08 ファブリシオ「試練は乗り越えるためにある」

TURNING POINT vol.08 ファブリシオ(FW/12) 「試練は乗り越えるためにある」 ■困難は乗り越えるためにある 練習を終えたファブリシオは、トレードマークでもあるウルトラマンのような髪型をきっちりとセットして、インタビュールームに現れた。 「浦和レッズは今、確かに悪い時期を過ごしているかもしれない。でも、僕自身は、そうした時期も、もう少しで終わるという予感がある。このチームの選手たちは質が高いし、今、勝てていないという現状が、モチベーションに変わってきていると思うからです。それはなぜかというと、チーム全員が『試合に出たい』という高い競争意識の中で練習に取り組めている。それに僕自身は、困難というものは解決するためにあると思っているんです。ただ、そこに恐れを感じてしまえば、同時に弱さも出てきてしまう。だから、恐れることなく、この困難をみんなで乗り越えていきたい。それに……自分の人生を振り返ってみても、何度も、何度も難しい時期はありました。でも、それを乗り越えてきたから、今があるんです」 そう言うと、ファブリシオは、自らのキャリアを振り返りはじめた。 「昨年、浦和レッズに加入する直前のタイミングというのは、これまでのキャリアにおいても、自分自身でピークだと感じられるような絶頂の時期だったんです。でも、その前には人生のどん底も経験しているんです。これまでいくつかの国でプレーしてきましたけど、どのチームでプレーしているときも、目標を設定し、それを達成するまでがんばり続けようと思ってきたんです。でも、あのときは、さすがにそれができなかった」 それはどん底というよりも絶望——思わず絶句して口を押さえてしまうほどだった。 ■逃した昇格、娘の死……襲った絶望 話は、ファブリシオがはじめて日本でプレーした3年前まで遡る。彼は、2016年7月に鹿島アントラーズに加入するまで、当時ポルトガル2部だったポルティモネンセでプレーしていた。 「2015−16シーズン、ポルティモネンセは国内のカップ戦で準決勝まで進出して、リーグでも1部昇格に手が届く位置につけていました。カップ戦で2部のチームが準決勝まで進出したのは史上初の快挙。リーグではファレンセというチームとのダービーマッチで、僕は得点を決めて、アウェイで39年ぶりとなる勝利に貢献した。それもあって僕は月間MVPに選ばれたのですが、ポルティモネンセの選手が受賞したのは初。妻のカルガは妊娠していて、自分自身も好調。これ以上、望むものはないんじゃないかと思うくらいの状況だったんです」 リーグでは、残り2試合で勝ち点3を獲得すれば、1部昇格を決められる状況だった。ところが、ポルティモネンセは1...


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