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REDS COLUMN
2024年12月19日

興梠慎三のラストイヤー

興梠慎三の現役ラストイヤーが終わった。得点に関する数々の記録を持ち、現役時代に多くのタイトルを奪取し、浦和レッズの歴代レジェンドの中でも強いインパクトを残した選手の最後のシーズンに立ち会えた我々は幸せだと思う。 昨季2023シーズンはJリーグ29試合に出場し、うち15試合に先発。二桁こそならなかったが4得点した。自身二度目のACL制覇につながるゴールも挙げた。札幌に期限付き移籍する前の2021年は1得点だったことを思えば、ストライカーとしての復活の兆しを思わせた。 気がかりだったのはシーズン終盤になるにつれ、出場が減ってきたことだったが、その気がかりは今季、早い時期に払拭された。沖縄キャンプでの練習試合では、チアゴ サンタナに先発を譲ることが多くても必ず交代の一番手だったし、先発することもあった。 そして今季はJリーグ開幕戦と第2節で途中出場すると、第3節で先発。そして続けて先発した湘南戦では前田直輝の右クロスに合わせてシーズン初ゴールを決めた。 また湘南かよ。 興梠といえば『仙台キラー』として有名だが、僕は湘南の方が印象に残っている。 レッズ移籍初ゴールが2013年4月14日、J1リーグ第6節のホーム湘南戦だったことは有名だが、それ以外に2015年のJ1リーグ開幕戦と2020年の同開幕戦も湘南で、いずれもゴールを決めている。そして今季と、ゴール数では仙台戦の方が多いが、レッズで過ごした11年のうち、湘南戦で自身のシーズン初ゴールを挙げたことが4回あるのだ。ストライカーにとって、シーズン初ゴールはケチャップ瓶の封を切るようなものかもしれない。本人も「湘南からも多く取っているイメージはある」と言っていたが、それはシーズン初ゴールが多いせいではないか。ちなみに「俺は"ケチャップ理論"には賛同しない」とも言っていた。 だが、湘南戦で今季初ゴールを決めたものの、その後出番は減り、先発出場はルヴァンカップ長崎戦だけ。さらにメンバー外へと、だんだん公式戦のピッチから遠ざかって行った。復帰戦と2ゴール目はいつだろうと思っているうちに、7月29日、クラブからメールが来た。 「所属選手に関するクラブからの重要なお知らせがあり、7月31日(水)14時より、埼玉スタジアムで記者会見を実施させていただきます」 間抜けにも僕は、これが興梠の引退会見だと、最初は考...


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