不覚にもどこにレッズサポーターが陣取っているのかが、すぐには分からなかった。 2月26日の天河体育中心体育場。中国広東省の省都である広州市にある広州恒大のホームスタジアムは、平日（火曜日）夜の開催にもかかわらず、8時のキックオフ30分前ですでに8割以上の席が埋まっており、キックオフ時には9割に達しようかという勢いだった。人々の多くが広州恒大のレプリカユニホームを着ていた。 広州恒大のチームカラーは赤。レッズサポ―ターも当然赤。今までならどこへ行っても、一番密集度の濃いエリアがレッズサポーターの集団だったため、見つけるのに苦労することはなかったが、今回ばかりは違っていた。 聞けば天河体育中心は1987年の中国全国運動会に合わせて建設されたスタジアムだという。中国国民がこぞって熱狂することで知られる全国運動会。その巨大イベントを想起させるようなスタジアムの雰囲気に半ば気圧されながら記者席に座り、スタンドをぐるりと見回すと、ほどなく「浦～和レッズ！」のコールが聞こえてきた。約800人の力強い声援にホッと一安心す...

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