PK戦の間は余裕の笑顔さえ浮かべていたGKの松本真未子が泣いていた。松本だけではない。優勝が決まって歓喜の表情で駆け出した選手たちのほとんどが、仲間と抱き合いながら涙を流していた。 第16回全日本女子ユース（U－15）サッカー選手権。それほど苦しい決勝だった。 相手の新潟とは昨年も大会の１次ラウンドで対戦し、４－０で勝っている。だが相手は格段の進化を遂げていた。速いプレスに来て、レッズの選手がかわすところを、別の選手が待ち受ける。１対１ではほとんど負けることのないレッズだが、この包囲網の前に、思うようにパスをつなげず苦戦することになった。当然、新潟の選手には多くの運動量が要求されるが、それは後半になっても落ちず、苦しい展開は延長まで続いた。 新潟は、ハーフウェーライン付近でボールを奪うと、一気...

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