「まだ何も決まってないですから」 AFCチャンピオンズリーグに特別な感情を抱くクラブ、そして選手たちの中でも、一際おもいが強い関根貴大は、決戦の数日前にそうつぶやいた。 第1戦を終え、第2戦を迎える直前にもなお、「ACLは本当に獲りたいタイトル」と口にする関根は、第1戦のアルヒラルに2019年ほどの強さを感じなかったと口にしたことを「その日の感想」としながら、次のように気を引き締める。 「大事なことは相手がどう出てくるかをイメージすることです。外国籍選手をどう使ってくるかでも変わってくるでしょうし、相手は第1戦より戦い方を工夫してくるはずです。第1戦と全く違うゲームになることを意識しておいた方がいいと思います」 それから少しさかのぼり、ACL決勝 第1戦の闘いから帰国してはじめてトレーニングを行った5月1日。何よりもコンディションを回復することを優先したリカバリー。ボールを使わず、リラックスできる環境なだけに、そのときの雰囲気を感じやすい。 1日は独特な雰囲気だった。選手たちに笑顔も見られる。もちろん暗い雰囲気のはずがない。ただ、普段の勝利や手応えを得られた試合の後のような明るさもでない。 その雰囲気に関しては見ている側の心理状態も影響するのだが、言うなれば勝負の途中、まさに前半が終わって引き上げてくるチ...

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