2024年03月26日
西川周作 × 佐藤瑶大 スペシャルインタビュー
浦和レッズの守備を担うGKの西川周作とDFの佐藤瑶大の初対談が実現した。浦和レッズに加入して11年目を迎える西川と、今季新加入となる佐藤が、それぞれの立場で浦和レッズの雰囲気や、お互いの印象、さらには守備を担う選手としてのメンタリティーについてと、さまざまなテーマで語り合った。そして3月30日に控えるホームでのアビスパ福岡戦への勝利を誓う。
(佐藤瑶大選手は今季、浦和レッズに加入したが、クラブの雰囲気をどう感じているか?)
佐藤瑶大
「抽象的な表現になりますけど、和やかで、柔らかい印象です。ガツガツしている人は、むしろ少ない気がします」
西川周作
「新加入選手が抱いているチームの印象については僕も聞きたいですね」
佐藤
「周君がチーム最年長で、こういった人柄なので、それがチーム全体の雰囲気になっています。だから、浦和レッズの雰囲気イコール周君みたいな(笑)」
西川
「でも、個人的には自分よりも、(興梠)慎三君の雰囲気になってほしいかな」
佐藤
「あっ、練習しているときは慎三さんの雰囲気を感じます」
西川
「そうした印象を持ってくれているなら素晴らしい!確かに浦和レッズはピッチ外ではアットホームな雰囲気がありますからね」
佐藤
「でも、ちょっと変わっているというか、個性的な人も多いですよね?(笑)」
西川
「確かに、それは浦和レッズあるあるかもしれない(笑)。今まで浦和レッズに在籍していた歴代の選手たちも、個性が強い人が多かったから」
佐藤
「だから、浦和レッズで(数ヵ月を)過ごしてみて感じているのは、同じ選手同士がグループになって固まることがないということです」
西川
「それぞれが自律している?」
佐藤
「むしろ、みんな一人の時間が好きそうな選手が多いなって(笑)」
西川
「確かに、それはあるかも(笑)」
(2人が特に個性的だと感じるチームメートは誰か?)
佐藤
「同期でいうと、僕はアツキ(伊藤敦樹)ですね」
西川
「ホント?アツキ、変わってる?」
佐藤
「意外と変わっていると思いますよ。普段から普通に話はしますけど、アツキ独自の世界観があるというか。僕たちが一つ、そこに踏み込めないような雰囲気をまとっている。あと、よくあるのは、アツキは急に興味がなくなったりするんですよ」
西川
「話をしていて?」
佐藤
「そうです。急に話題への興味がなくなったりだとか」
西川
「『あれ?』って、急にどっか行っちゃったみたいな?」
佐藤
「そうです(笑)。僕も、それをわざわざ追いかけようとはしないですけど、アツキのそういうところは独特ですよね」
西川
「アツキに対して、ヨウちゃん(佐藤)が言ったようなことは今まで感じたことはなかったかな。どちらかというと、人見知りに見えて、人懐っこいところもあるので、先輩にかわいがられる印象ですね。僕が個性的だと思うのはショウヤ(中島翔哉)」
佐藤
「それは確かに!」
西川
「それこそ、ヨウちゃんがアツキに抱いている独特の世界観を、僕はショウヤに感じる。練習中に1人だけタンブラーを持って、お茶を飲んでいるというのは、彼独自のこだわりですよね。ただ、サッカーに対しての情熱は素晴らしいなと」
(西川選手は大分トリニータ、サンフレッチェ広島を経て浦和レッズに加入。佐藤選手はガンバ大阪の他に、期限付き移籍したベガルタ仙台でのプレーを経験。それぞれ浦和レッズが在籍3チーム目だが、それぞれにクラブのカラーはあるか?)
佐藤
「ありましたね。ガンバ大阪は(練習中の雰囲気が)割と静かな印象でした」
西川
「そうなんだ?」
佐藤
「はい。一方でロッカールームはめちゃめちゃ賑やかでした。ベガルタ仙台は練習中もロッカールームもずっと賑やかな感じでした」
西川
「ピッチ外も、ピッチ内も?」
佐藤
「当時の監督の雰囲気作りによって、グラウンドの空気がピリッとしているときもありましたけど、基本的にはグラウンドもロッカールームも活気があって、わちゃわちゃしていました。浦和レッズは大原サッカー場のロッカールームの設計上、話をする人が限られる造りになっていますよね。そうしたクラブハウスの設計によっても、クラブの雰囲気は違うように思います」
西川
「確かに、クラブハウスの造りによって雰囲気に違いは出るかもしれないね。大分トリニータは、若手とベテランが分かれていた。一緒に何かをする機会は少なくて、当時はまだ自分も若手選手だったこと、あと時代的にも先輩が「怖い」という印象でした。そこから移籍したサンフレッチェ広島は、世代が近い選手が多かったこともあって賑やかだったかな。浦和レッズに加入したのは27歳になる年で、かつ同世代がたくさんいたので、馴染みやすい雰囲気だった。年上の選手も、アベちゃん(阿部勇樹)やケイタさん(鈴木啓太)、ツボさん(坪井慶介)と、素晴らしい選手たちばかりだったので、年齢に関係なく練習や私生活を含めて、楽しい時間を過ごしてきました」
(チームがシーズンを戦っていくうえで、ロッカールームの雰囲気は重要なのでは?)
西川
「誰とでも話ができる環境や雰囲気があると、お互いのことを知る機会になります。それが新たな発見につながり、プレーにも生きてきます」
佐藤
「だからこそ、ロッカールームの雰囲気って大事ですよね。どのチームも、最初は先輩に対して怖いイメージを抱いていたのですが、経験豊富な選手が『えっ!この人ってこんなに優しい人だったの?』って思ってしまうくらいやさしかったり、『いい人だろうな』と思っている人と、いざ一緒に練習したら、想像を越える以上にいい人だったり。後輩である自分からコミュニケーションを取りにいかなければいけないのですが、どうしてもイメージが先行して話かけられないときってあるじゃないですか?」
西川
「確かにね」
佐藤
「でも、そこで僕は、敢えてコミュニケーションを取りに行くんですけどね」
西川
「ヨウちゃんはいくね。...
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