先発して32分で交代させられたとしたら、「悔しい」という思いが胸中を完全に支配してしまうのが普通かもしれない。 ところが、今回ばかりは違っていた。試合を終えて取材エリアに現れた浦和レッズレディース主将、後藤三知の表情には、一本の芯が植え付けられたような、きりりとした輝きが浮かんでいた。 「代表には、とにかく行きたくて行きたくてしょうがなかった。見ているのと、実際に入るのは全然違っていた」 3日間のトレーニングと試合で受けた刺激が、後藤の口調を明るくさせていた。 9月26日、フクアリで行われたなでしこジャパン対女子ナイジェリア代表との国際親善マッチ。宮城県の常磐木学園高校3年だった08年以来5年ぶりに代表復帰を果たした後藤は、背番号21をつけ、4-4-2の左サイドハーフで先発した。 なでしこジャパンは、右サイドにレギュラー格や...

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