2013年05月15日
草の根が生んだ奇跡
「それは、奇跡としか思えない光景でした」
今から5年前の2008年夏。落合 弘キャプテンをはじめとするハートフルクラブの一行は、「微笑みの国」と呼ばれるタイ北部の都市、チェンマイを訪れていた。
ハートフルクラブは、浦和レッズがホームタウンさいたまで地域貢献として行なっている活動。サッカーを通じ、こころを育むというテーマを据えて地道に取り組んでいるもので、トップチームが初めてAFCチャンピオンズリーグに出場した2007年からは、アジアの国々に舞台を広げて「草の根国際交流」を行なうようになった。
落合キャプテンとコーチ陣一行がチェンマイを初めて訪れたのが、2008年だった。そこに集まったのは、HIVに母子感染した児童も住む孤児施設「バーンロムサイ」の子供たちと、施設がある村に住む一般の子供たち。
日ごろ交流のない子供たちは、最初こそよそよそしい視線を送り合っていたが、ともにボールを蹴り、グループを組んだ仲間同士で助け合いながらさまざまなメニューをこなしていくうちに、自然と笑顔が浮かび、じゃれ合いながら会話を交わすようになっていった。
「バーンロムサイ」は1999年に設立された。孤児の多くがHIV...
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