第27節柏レイソル戦、試合終了の笛が鳴り、逆転勝利が確定した瞬間、決勝点を挙げた34歳の男は頭を抱え、168cmの小さな体を折り曲げて喜びに震えていた。そして、次々と仲間と抱擁を交わす中、会場には、歓喜の「We are REDS!」コールがこだましていた。その光景に、正直、大きく心を動かされた。 だが、最も感情が爆発し、心が揺り動かされたのは、その少し前。やはり彼がゴールを決めた瞬間だった。それは劇的な勝利がほぼ手中に入ったという短期的な『結果』のみを受けてのことではなかったと思う。彼が、出場機会の少ない中でも、たぎる情熱をその胸に秘め、黙々とトレーニングに励むプロフェッショナルな姿を見せ続けていたこと、そして、そのやり続けたものが結実した瞬間が、あの得点だったからだと思う。 地道に取り組むこと。その彼の姿勢は、この１試合の中でも現れ...

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