2016年が終わった。まだ12月上旬、まさかこんな形で唐突に終わるとは、夢にも思っていなかった。 今考えると不思議だけれど、12月3日の午後7時35分、キックオフの笛が鳴るまで、浦和レッズがチャンピオンシップに勝つのは当たり前のことだと思っていた。だから、数日後に始まるクラブワールドカップの取材申請もとうの昔に済ませておいたし、大阪のホテルも準決勝のアトレティコ・ナシオナル戦の翌日まで押さえておいた。うまくいけば、決勝でレアルマドリーとやれるんじゃないか、とまで想像していた。 でも、シーズンは唐突に終わった。 第1戦を0-1でなんとか勝利し、それなりのアドバンテージを持って第2戦をホーム埼玉スタジアムで迎えたはずの浦和レッズだったが、結果は1-2、2016シーズンのJリーグ王者は1ヵ月前に勝ち点15差の3位でリーグ戦を終えた鹿島アントラーズとなった。 ゲームオーバー。後に残ったのは大喜びをする数千人の鹿島アントラーズサポーターと、目の前で起こったことをどう受け止めていいかわからない5万人ほどの浦和レッズサポーターだった。 ある人は、がっくりとうなだれていた。ある人は黙って前を見ていた。ある人は、選手たちに拍手を送り、ある人は痛烈なヤジを飛ばしていた。 「お前ら、どんだけ裏切り続けりゃ気が...


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