ハートフルクラブの室井コーチ、酒井コーチが『未来くる先生』で小学校を訪問
[クラブ]18日、ハートフルクラブの室井市衛コーチと、酒井友之コーチが、さいたま市立芝原小学校を訪問し、さいたま市教育委員会主催による『夢工房 未来(みら)くる先生 ふれ愛推進事業』の講演を行って、児童たちに、夢を叶えるために一生懸命に努力することの大切さなどを伝えた。
さいたま市が取り組む『夢工房 未来(みら)くる先生 ふれ愛推進事業』は、さいたま市にゆかりがあり、文化芸術スポーツ等の分野においてトップレベルの実績などがある人物を『未来(みら)くる先生』とし、市立幼稚園や小・中・特別支援学校に派遣する取り組みである。『ゆめをもち、未来を切り拓く、さいたま市の子ども』の育成を目指す一環として、夢や地域への愛着、望ましい職業観を持ってもらうことを目的としている。
講演は、室井コーチが6年1組と3組、酒井コーチが2組と4組を担当し、6年生の4クラス144人を対象に行われた。2人は、はじめに自己紹介を行った後、サッカーを通して経験した喜びや苦悩を振り返りながら、児童らに丁寧にアドバイスを送っていった。
中学2年生の時にプロサッカー選手になる夢を持った酒井コーチは、自宅から片道2時間30分をかけて練習場まで通い、人よりも多く練習し、行き帰りの電車の中で学校の宿題に取り組む日々を送って、自身の夢を叶えたことを児童らに伝えた。そして「夢は楽しむ気持ちがないと続けることは難しいものです。まずはたくさんのことに興味を持ってチャレンジして、自分のやりたいことを見つけてください。そして、自分の夢を叶えるサポートをしてくれた周りの人たちに、感謝の気持ちを忘れないでください」と、児童たちにメッセージを送った。
室井コーチは、プロ3年目、21歳のときに在籍していたチームのブラジル合宿での苦労話を語り、児童らに簡単に夢を諦めないことの大切さを伝えた。試合ではベンチにも入れずに荷物番を任された室井コーチは、「泣きそうというレベルではなく、せっかくプロになって、こんな形で終わるのかと思った」と、当時の心境を打ち明けた。しかし、「自分を応援してくれる人たちのためにもこのままでは終われない」と、荷物番をしながらすぐに気持ちを切り替え、その後は死にものぐるいでがんばったという。「神様が見ているのか分からないけれど、努力している人には、必ず1回はチャンスが巡ってきます。僕はその1回のチャンスのためにずっと努力を続けて、試合で結果を出して、その後のサッカー人生が開けました」と、逆境を乗り越えた経験談を語った。
児童たちは、真剣な表情で話しを聞き、中にはメモを取りながら耳を傾ける児童の姿も見られた。また、質疑応答の時間では、児童たちが積極的に手を上げて「好きな選手」や「サッカー以外に得意なスポーツ」などの質問をコーチたちに投げかけていた。コーチたちも一つ一つの質問に真摯に答え、時にユーモアを交えながら笑顔で会話を楽しむなどして児童たちとふれあい、和やかな雰囲気の中で『未来くる先生』は終了となった。
【室井市衛】
「今日は『未来くる先生』として、子供たちに夢を持つ大切さなどを伝えましたが、ハートフルクラブのスクールの中でも、子供たちには自分の経験をもとにした話をしているので、その時と全く同じ感覚で行いました。話しの中で、子供たちの心に響く部分と、そうでない部分があったので、子供たちの反応が分かっていい経験になりました。
子供たちには高い目標を持ちながら、逆境を乗り越える力を身につけてほしいと思います。壁にぶつかったら、言葉は良くないかもしれませんが、いい意味で『開き直る』ことも必要だと思います。これは僕自身が経験したことですが、高い壁にぶつかったときは、一回落ち着いて深呼吸して、開き直って、あとは上っていくだけという状況を作ることができれば、その高い壁を乗り越えるきっかけになると思います。ですから、子供たちにも、壁にぶつかってもそれを乗り越えて、自分の夢を掴んでほしいと思います」
【酒井友之】
「今日はネクタイを締めて講演という形で子供たちとふれ合いましたが、言葉だけで自分の考えを伝えることには慣れていない部分もあって緊張しました。
子供たちには、自分の現役時代の経験を通して、プロサッカー選手になるためにどのような努力をしてきたかなどを伝えました。何人かでも自分の気持ちが伝わってくれたらうれしいです。僕が小学生の頃は、はっきりとした夢を持っていなかったのですが、今日ふれ合った子供たちの半分以上は、自分の夢を持っていたので驚きましたし、とても頼もしく感じました。これからも、子供たちの心に響くような話しをしていきたいですし、もっと分かりやすく伝えられるように努力していきたいです」
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】



