コラム「第一歩を踏み出した『未来のGKプロジェクト』」
[クラブ]この夏、クラブの新しい試みとして『浦和レッズ未来のゴールキーパープロジェクト』が実施された。これは、現段階でのサッカー経験やゴールキーパー(GK)経験を問わず、将来の浦和レッズのGKになりたいという意志を持った子供たちを募集して、レッズのGKコーチ陣によるトレーニングや、Jリーグの試合観戦によって、サッカーの楽しさやGKの楽しさを体感するプロジェクトだ。地元を中心とした小学5、6年生の24人の参加者とともに、この新しいプロジェクトはスタートした。
全3回のトレーニングのうち、最初の2回は大原サッカー場で行われた。ウォーミングアップの段階から、ゲーム性を持たせながらも周囲とコミュニケーションを取ることを強調したメニューが組まれていた。GKにとっては後方から味方に指示を出すことや、接触プレーの中で自分の身を守るためにも大きな声を出すことは大事な要素の1つだ。全員が初対面からのトレーニングとあって最初はぎこちなさが見られた子供たちだったが、徐々に大きな声を出しながら周囲とコミュニケーションを取れるようになっていく姿が見られた。
トップチームの土田尚史GKコーチの「GKの楽しさを感じてほしいという意味でも、基本を伝えています」との言葉通り、ピッチの上でのトレーニングではベースとなる正しい構えとフォームが強調されていた。コーチとして参加したトップチームの山岸範宏が見本を見せながら、子供たちに指導も行った。「教えることの難しさを体験できる貴重な経験ができた」という山岸は自ら実演しながら丁寧に伝えていた。
同時に、失敗を恐れずに取り組むことも大きく強調されていた部分だ。コーチ陣からは、「トライしよう!チャレンジしよう!」という大きな声が響いていた。参加した子供たちがその声に応えるように、1度でできなかったことも2度、3度とトライする姿が印象的だった。特に、第1回のトレーニングに参加した子供たちのほとんどができなかったプレーが、第2回のトレーニングではできるようになっているという光景が強く印象として残った。土田GKコーチも「2回目の練習のときに、みんなが今日まで練習をしてきてくれたこと、1回目に伝えたことが伝わっているんだということを感じることができて本当に嬉しかった」と、笑顔を見せていた。
第3回のトレーニングは8月31日のアルビレックス新潟戦の当日に埼玉スタジアムのフットサルコートで行われた。トレーニングが終了すると子供たちはスタジアムに移動し、Jリーグの試合前のウオーミングアップに向かった。そして彼らが目指したいと願うトップチームのGK加藤順大と山岸をピッチへの入り口で出迎えた。
そして、そのままウォーミングアップをピッチレベルで見学し、さらにはレッズのGKが無失点に抑えて勝利した試合を観戦した。また、レッズのプレミアムパートナーである文化シヤッター株式会社が、意欲溢れる子供たちを応援したいという主旨で、袖に文化シヤッターのロゴが入った記念Tシャツを参加者全員に贈呈してくださり、夏休みの最後に大きな思い出を作ってこのプロジェクトは幕を閉じた。
このプロジェクトを振り返り、「将来が楽しみだという子供が何人もいました。1人でも多くJリーガーになってもらって、その中から浦和レッズで活躍する選手が出てくればこんなに嬉しいことはないです。継続することが大事ですから、この第1回が後から振り返って大きな一歩になっていればいいですね」と、土田GKコーチが残した言葉にこのプロジェクトの意義が集約されている。レッズの新しい試みは、確実な第一歩を踏み出した。
【浦和レッズオフィシャルメディア(URD:OM)】




