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経営情報

継続的な目標として、男子トップチームは「J1リーグで優勝争いをすること」と「ACLの出場権を獲得すること」という2つの目標を掲げておりますが、2023シーズンのJ1リーグでは終盤まで優勝争いに加わることこそできたものの4位という成績に終わり、2024/25シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)、およびAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)のいずれの出場権も獲得することができませんでした。
そのほか、国内大会ではJリーグYBCルヴァンカップで2位、天皇杯でベスト16、国際大会ではAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022で優勝、クラブワールドカップで4位という結果となりました。
2025年に開催される新大会フォーマットでのクラブワールドカップ(La Copa Mundial de Clubes de la FIFA)の出場権獲得につながったACL2022での優勝をはじめ、浦和レッズとして過去最多となる年間60試合の公式戦を、選手、スタッフが全力で闘い抜いたことから得たものは決して少なくありませんでしたが、念願のJリーグ制覇を達成することができなかったという点において、課題の残るシーズンでした。

2023年度の事業収入につきましては、ACL2022決勝や、同大会優勝に伴うACL2023/24への出場等によりホームゲーム試合数が増加したことも影響し、入場料収入が前期比+706百万円となったほか、広告料(パートナー協賛金、RBC会費等)収入が同比+175百万円、グッズ収入が同比+464百万円、チームの賞金を含むその他収入が同比+912百万円となりました。
そしてこれらを反映した2023年度の事業収入合計は、同比+2,257百万円の10,384百万円となり、クラブ史上初めて10,000百万円を上回りました。
なお、事業運営費、チーム運営費を合わせた事業経費は9,137百万円、営業利益は367百万円、経常利益は392百万円、当期利益は305百万円となっております。

入場料収入:浦和駒場スタジアム開催のホームゲームも含め、J1リーグ最多入場者数を記録

埼玉スタジアムの芝生張替え工事の影響から、2023シーズン開幕からのホームゲーム3試合(J1リーグ戦2試合、JリーグYBCルヴァンカップ1試合)は、収容人員約20,000人の浦和駒場スタジアム(以下、駒場)での開催となりました。また、ACL2023/24出場に伴い、J1リーグ戦のホームゲームは平日の開催が7試合、土日祝日の開催が10試合(うち2試合は駒場開催)となり、集客面では非常に厳しい条件となりましたが、チームがJ1リーグで上位争いを続けたことに加え、ACL2022優勝も追い風となり、J1リーグ戦の平均入場者は30,509人、そのうち埼玉スタジアム開催試合の平均入場者は32,236人、土日祝日の埼玉スタジアム開催試合に限れば4万人を超える40,777人と、コロナ禍前の水準に近づきつつあるとともに、昨シーズンに引き続き2年連続23回目のJ1リーグ最多入場者数を記録しました。
多くのファン・サポーターのみなさまがスタジアムで声援を送ってくださったことに加え、ACL2022決勝第2戦や、その結果を受けたACL2023/24への出場等に伴いホームゲームの試合数自体が増えたこと等が好影響をもたらし、入場料収入は前期比+706百万円の2,145百万円となりました。

平均入場者数の推移

広告料収入:前期記録した、過去最大のパートナー協賛収入を更に更新

広告料収入(パートナー協賛金、RBC会費収入等)は、男子トップチームによるACL3度目の優勝や、レディースチームによる2022-2023 WEリーグ優勝が好要因となったほか、既存パートナーによる協賛金の増額や、提携先企業・団体等との協業等による新規パートナー獲得の取り組みが奏功し、パートナー社数が前期比+5社、RBC会員者数が+48社となり、2022年度に記録した過去最大のパートナー収入を更に更新しました。
長きにわたりご支援いただいているパートナーや、近年パートナーやRBC(レッズビジネスクラブ)に仲間入りしてくださった企業・団体による力強いご支援により、広告料収入は前期比+175百万円の4,223 百万円となりました。

グッズ収入:前期比141.5%の、過去最高売り上げを記録

グッズ収入におきましても、男子トップチームによるACL3度目の優勝や、レディースチームによる2022-2023 WEリーグ優勝が好要因となったことに加え、ファン・サポーターのみなさまの心情に寄り添うことを軸に据えながら、企画、プロモーション、販売という3つの領域における質の向上、および協力会社様との連携の高まりが奏功し、前期比+464百万円の1,583百万円という、過去最高の売上を記録しました。

営業収入と「収入の3本柱」の推移

事業経費:主要収益事業の収入増やホームゲーム試合数の増加に伴い、事業経費も増加

上記主要収益事業の収入増に伴い、入場券販売費、試合運営経費、商品販売経費等の事業運営費が増加したほか、試合数の増加に伴い選手報酬、遠征費等のチーム運営費も増加となり、事業運営費、チーム運営費を合わせた事業経費は9,137百万円となりました。

経常利益、当期純利益、利益余剰金および純資産

経常利益392百万円、当期純利益305百万円となり、前年度実績からはやや下回ったものの、堅実に利益を確保することができました。
また、利益剰余金は1,224百万円となり、資本金273百万円、資本準備金113百万円と併せ、純資産は1,610百万円となり、コロナ禍前の2019年度とほぼ同程度まで純資産を積み上げることができました。

総資産の推移(単位:百万円)

クラブの取り組みについて

浦和レッズは2024シーズン、国内3大タイトルに数えられ、アジアでの闘いにも繋がる天皇杯という重要な大会に出場することができません。
この事実と、そこに至った経緯につきましては浦和レッズというクラブが存続する限り絶対に風化させてはならず、継続的に向き合っていかなければならない問題であると強く認識しております。
そしてその認識に基づいた行動を見せずして、ホームタウンのみなさま、パートナーのみなさま、そしてファン・サポーターのみなさまに愛され、必要とされることはないという覚悟をもってクラブ運営に取り組んでまいります。

【2023年度の取り組み】

試合運営管理規程違反行為再発防止施策の策定と運用

天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会ラウンド16(4回戦)名古屋グランパス戦における、日本サッカー協会試合運営管理規定に違反する行為に対し、けん責および天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会の参加資格剥奪処分が科されたことを受け、「違反行為に対する新たな処分基準の策定」、「処分および処分解除決定の運用プロセスの見直し」、「第三者委員会の立ち上げ」、「違反行為者への適時適切且つ毅然とした対応」、「スタジアムでの禁止事項等観戦ルールの周知徹底」、「ファン・サポーターのみなさまとのコミュニケーションの再構築」という再発防止施策を策定し、運用を開始いたしました。(継続中)

浦和レッズハートフルクラブ

設立20周年を迎えた浦和レッズハートフルクラブは、埼玉スタジアムや浦和駒場スタジアム等でのサッカースクールやサッカー関連イベントを367回、小学校の授業サポートを120回行ったほか、2011年7月より東日本大震災の復興支援プロジェクトとして継続している「ハートフルサッカーin東北」を福島県、岩手県の小学校、保育園で実施しました。
また、2007年のACL初出場を機にスタートした「ハートフルサッカーinアジア」の活動ではネパールとタイを訪れ、各国の子供たちにサッカーの楽しさやこころの大切さを伝える草の根国際交流を実施しました。

ホームタウン活動

男子トップチーム所属選手とレディースチーム所属選手とが初めて合同で、さいたま市内の商店街を訪問し、ポスター配布を行なうなど、年間を通じて1,500件以上のホームタウン活動を行いました。
また、さいたま市、一般社団法人さいたまスポーツコミッション、浦和レッズ、レッズランドの4者で「(仮称)さいたまスポーツシューレ推進施設の整備に係る連携協定」を締結したほか、地域社会の課題解決を目的に立ち上げた「このゆびとまれっず!」の活動の一環として、食品ロス削減に向けた活動(フードドライブ)を浦和レッズパートナーや行政と共同で実施するなど、ホームタウンのみなさまと共に豊かな地域、社会創りに取り組みました。

レッズランド

「する」「学ぶ」スポーツの場と機会を広げ、健全な青少年育成、生きがい創り、スポーツ文化の発展、振興に寄与することを目指すレッズランドでは、バドミントン、ヨーガ、空手、チアダンス、バレーボール、総合スポーツの計6種目からなる総合型地域スポーツクラブの活動会員数が100人を超えました。
また、テニス、フットサル、キッズサッカー、ランニング等のスクール活動への年間参加者数が延べ約7,000人に上ったほか、「レッズランドキッズフェスタ」、「夏の思い出を作ろう」、「桜区音楽会&花火大会」、「新春全力餅つき」等のイベントにも延べ約2,500人のみなさまにご参加いただくなど、サッカーファンに限らない多くのみなさまにレッズランドをご利用いただきました。
そのほかにも、さいたま市が実施する「チャレンジスクール」事業に参画し、桜区内の小学校への講師派遣や、さいたま市内の企業・団体21社からなる「育みパートナー」事業を通じ、各種イベントや地域のサッカー少年団等へのグラウンド解放やスクール実施を行うなど、施設の内外を問わず幅広い活動を展開しました。

アカデミーセンター

男子トップチームに占めるアカデミーセンター出身選手の割合を30%にするという目標を策定し、選手の育成に努めました。
伊藤敦樹が日本代表に選出され、早川隼平が2023JリーグYBCルヴァンカップにおいてニューヒーロー賞を受賞したほか、橋岡大樹の海外クラブへの移籍金によって、アカデミーチームが使用するトレーニンググラウンドの人工芝の張替え(張替え後、さいたま市へ寄付)が実現する等、選手の育成に加え、ビジネスの側面でも成果が着実に出はじめています。

フランクフルトとの交流事業

提携関係にあるドイツ アイントラハト・フランクフルトとの間で、両クラブの指導法や指導哲学の共有をはじめとした、選手育成をメインテーマとした交流を行いました。

フェイエノールトとの交流事業

提携関係にあるオランダ フェイエノールトとの間で、両クラブの指導法や指導哲学の共有をはじめとした、選手育成をメインテーマとした交流を行いました。

ムアントン・ユナイテッドとの交流事業

提携関係にあるタイ ムアントン・ユナイテッドより、タイ代表招集歴のある3選手が2週間にわたって男子トップチームの練習に参加し、その後、エカニット・パンヤ選手が期限付き移籍加入を果たしました。また、浦和レッズハートフルクラブによる「ハートフルサッカーinアジア」を同チーム本拠地のサンダードーム・スタジアムで実施したほか、浦和レッズU-14チームがムアントン・ユナイテッドU-14チームとタイで共同キャンプを行い、現地で開催された第二回 Mitsubishi Heavy Industries Diamond Cup U-14 Thailand 2023に出場するなどしました。
なお、これらの活動にはJリーグによる、Jリーグクラブ向け海外事業活動助成金を活用しています。

浦和レッズレディース

WEリーグカップの連覇こそ逃したものの、11月に開催されたAFC Women’s Club Championship 2023 – Invitational Tournament(於、タイ王国)ではグループステージ3戦全勝の成績を収め、2024年5月10日に浦和駒場スタジアムで開催される決勝戦(vs仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)への進出が決定しています。
また第45回JFA皇后杯において準優勝したほか、2023-24WEリーグにおいても首位を堅持しており、連覇を目指しています。

SDGs社内推進プロジェクト

外部有識者を招いてクラブスタッフ向けにSDGs関連の研修会や障がい者理解を深めるための講習会を実施するなど、社内におけるSDGsへの取組みに関する意識向上を図りました。またそれらの活動を、クラブオフィシャルサイトに設けた専用ページを通じて発信しています。

埼玉スタジアム指定管理事業

埼玉県との協働事業「埼スタトイレ向上プロジェクト(トイレリニューアル)」を通じて2階コンコースの全てのトイレ改修が完了したほか、埼玉県および公益財団法人埼玉県公園緑地協会と協議・調整の上、バックスタンド・ロアー部にLED電光掲示板を新設するなど、埼玉スタジアムの利便性、事業性の向上に努めました。また埼玉県等との協働事業として、サーキュラーエコノミーの実証実験を含む「サステナブルDAY」を開催するなど、SDGsに係る様々な施策も実施しました。

最後に

本報にて報告いたしました、2023年度の経営情報には多くのポジティブな数字が並んでおりますが、これらの数字は申し上げるまでもなく、浦和レッドダイヤモンズ株式会社の事業活動のみによって達成された成果ではございません。
ホームタウンのみなさま、パートナーのみなさま、そしてファン・サポーターのみなさまを始めとした、浦和レッズを支えてくださる全てのステークホルダーのみなさまによりますご支援、ご声援、そしてご期待の表れと、選手、チームスタッフ、クラブスタッフによる努力の結晶との集合体であると理解しております。

今後もみなさまと苦楽を共にしながら、ご一緒にクラブ運営を行ってまいりたく存じますので、引き続きのお力添えをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

クラブ収支状況(単位・百万円)
  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
営業収入 8,218 5,771 6,891 8,127 10,384
入場料収入 2,300 423 626 1,439 2,145
広告料収入 3,841 3,750 3,898 4,048 4,223
グッズ収入 903 814 841 1,119 1,583
Jリーグ分配金(※1) 468 400 471 567 473
その他(※1) 706 384 1,055 954 1,960
営業費用(※2) 8,082 6,539 6,990 7,700 10,017
事業費用 7,171 5,796 6,142 6,917 9,137
事業運営費 3,180 2,083 2,293 2,933 3,831
チーム運営費 3,991 3,713 3,849 3,984 5,306
(うち選手・監督・コーチ報酬) (※3) (3,228) (3,119) (3,089) (2,853) (3,860)
一般管理費 911 743 848 783 881
営業利益 136 -768 -99 427 367
経常利益 139 -599 2 492 392
当期純利益 62 -612 2 412 305
  • 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しています。
  • (※1)「その他」には選手移籍関連収入、出場料、出演料、スクール会費収入、育成(アカデミー)関連収入等が含まれています。
  • (※2)営業費用の主な内訳は次頁の参考情報のとおりです。
  • (※3)選手・監督・コーチ報酬の数値については、2022年度よりトップチームの人件費のみ集計しています。
    2021年度以前の数値については、育成・レディース報酬も含む数値となります。
(参考情報)営業費用の主な内訳(単位:百万円)
事業運営費 3,831  
スタジアム運営関係費 1,146 「試合関連経費[スタジアム使用料、警備費、運営設営費]」、チケット手数料、広告宣伝費、JFA・Jリーグ納付金、イベント費ほか
広告料関係費 877 バーター取引相当分、レッズランド向け広告宣伝費、広告代理店手数料、業務委託費ほか
グッズ関係費・その他事業費 1,650 商品原価、グッズ運営管理費、REX CLUB活動費、広報活動費ほか
ホームタウン関係費用 158 ホームタウン活動費、ハートフル活動費
チーム運営費 5,306  
選手・監督・コーチ報酬 3,860 トップチーム選手と指導者の報酬の総額
トップチーム運営経費 817 移動関連費、施設関連費、寮関連費、代理人手数料ほか
育成(アカデミー)運営経費 224 アカデミー指導者報酬、移動関連費、施設関連費ほか
レディースチーム運営経費 405 レディースチーム選手・指導者報酬、移動関連費、施設関連費ほか
一般管理費 881  
クラブ財産状況(単位・百万円)
  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
総資産 3,141 2,995 2,875 3,076 3,451
総負債 1,522 1,988 1,867 1,771 1,841
純資産 1,619 1,007 1,008 1,305 1,610
資本金/資本準備金 386 386 386 386 386
  • 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しています。
クラブその他指標
  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
J1リーグ年間順位 14位 10位 6位 9位 4位
YBCルヴァンカップカップ成績 準々決勝 グループ
ステージ
ベスト4 ベスト4 準優勝
天皇杯成績 ラウンド16   優勝 3回戦敗退 ラウンド16
AFCチャンピオンズリーグ
(ACL)成績
準優勝     優勝 グループステージ敗退
FIFAクラブワールドカップ
(FCWC)成績
        4位
J1リーグ入場者数(人) 581,135 133,780 156,636 401,489 518,648
J1リーグ平均入場者数(人) 34,184 7,869 8,244 23,617 30,509
主催試合入場者数(人) 802,786 153,369 191,398 451,823 603,332
J1全クラブ平均年間収入
(百万円)
4,951 3,890 4,159 4,864  
J1全クラブ平均入場料収入
(百万円)
926 324 399 704  
J1リーグ全クラブ
平均入場者数(人)
20,751 5,796 6,661 18,993  

PARTNERパートナー

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