2016年の明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ第2戦が終わった後、しばらくサッカーの撮影から遠ざかっていた。 浦和レッズが進出すると確信し、すでに申請していた『FIFAクラブワールドカップジャパン2016』は直前になって取材をキャンセルした。 心の狭い男の話で申し訳ないが、鹿島アントラーズがどういう結果を残すかなんてまったく興味がなかったし、スタジアムに足を運べば間違いなく気が滅入るのはわかっていた。 本来ならここにいるべきは浦和レッズだったのに、そんな愚痴を誰かに言いたくなかったし、誰もそんな愚痴は聞きたくなかっただろう。 だから、とりあえず新シーズンが始まるまで、Jリーグのことも、天皇杯のことも、頭の中から締め出したつもりだった。 ところが、そういう時に限って、サッカーの神様は人の心を試すようなことをする。 FIFAクラブワールドカップジャパン2016の準決勝が行われていたちょうどその時間、僕は地方取材を終えて羽田空港に到着した。機外へと出て、到着ロビーを出口へと歩く途中、52番ゲートだったか53番だったかの横にあるテレビ画面は、『鹿島アントラーズ対アトレティコ・ナシオナル』を映し出していた。 見ないほうがいい、そんな気がした。でも気がつくとテレビの方へと歩み寄っていた。どうか負けててくれ…、画面の左上隅には3-1のスコアが表示されていた。残り時間はもうわずかだった。 まじかよ。 鹿島は南米大陸の王者に勝っていた。ということは、彼らは決勝でレアル・マドリードと戦うことになるわけだ。 恐れていた悪夢が現実になり、数秒間、頭の中が真っ白になった。 本当なら浦和レッズが…、もうこの話はやめよう。未だに気が滅入る。 2017年シーズンは、『FUJI XEROX SUPER...


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