3日たった。まだニヤニヤしている。一番欲しいものはまだ先にあるが、とりあえずこれも欲しかったものだ。 ようやく、タイトルというものが一つ手に入った。 浦和ってさ、ほんと勝てないよね。ミシャって、勝ち運がないんだよな。 そう仕事仲間から揶揄されるたび、引きつった笑顔を浮かべ、「まあ見てなよ」と小さな声で答え続けてきた。でも「大事なところでいつも勝てない」という現実は確かにそこに存在したし、喉奥に刺さった鰻の骨のようにずっと僕を苛立たせてもいた。 この監督で本当に勝ちきれるのだろうか? ミシャの手腕や選手起用をどこかで信じきれない自分もいた。たぶん多くのサポーター、あるいはスタッフも、同じような感覚でもどかしい時間を過ごしてきたんじゃないだろうか。 骨はとれた、今はそんな気分だ。浦和レッズはJリーグで一番おもしろいサッカーを見せてくれる、且つそのサッカーでタイトルも取れる。オーケー、もう何の文句もない。 レッズに関わって20年と少したつ。 Jリーグで最後に喜びの声をあげたのは、リーグ優勝を果たした2006年だ。 ヤマザキナビスコカップで勝ったのはそこからさらに遡って、今から13年も前のことになる。2003年、まるで白亜紀の話をしているようだ。国立競技場の空が灰色の分厚い雨雲に覆われていたこと、田中達也がガンガンドリブルで仕掛けていたこと、勝てて嬉しかったこと、覚えていることといえばそれくらいだ。13年前にとったタイトルの事なんて、今埼スタに集まる人々のいったい何割がその思い出を共有できるのだろう。 2016年10月15日、埼玉スタジアムの上空はどこまでも晴れていた。そして、スタジアムはほぼ満員だった。観客席が埋まれば埋まるほど勝てなくなるレッズ、それはもう誰もが知っている。入場者数4万5千人を超えたときのレッズの勝率、一度正確な数字を出してみるのもいいかもしれない。たぶん気を失いそうになるような数字が出てくるに違いない。 でも僕はなぜか強く感じていた。今日はレッズが勝つ、と。 ミシャが指揮をとって5年、レッズは勝利、敗北、歓声、怒号、喜び、悲しみ...


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